映画『子どもが教えてくれたこと』公式サイト

出演者

本作に登場するのは、撮影当時5歳〜9歳の5人の子どもたち。「似たような環境で暮らす子どもたちではなく、住む場所もバックグラウンドも異なる子どもたちを映し出したい」という思いから、監督のアンヌ=ドフィーヌ・ジュリアンは出来るだけ多くの子どもたちに会うことから始めた。ヘルスケアの専門家のネットワークを通し、彼らが世話をしている子どもたちを紹介してもらい、家族が許せば実際に子どもたちのもとへ足を運んだ。映画に登場する5人は、そうして出会った、病気も年齢も異なる個性豊かな子どもたちだ。
※年齢はすべて撮影時。

お芝居が大好きな9歳の女の子。動脈性肺高血圧症を患う彼女には、可愛い水色のリュックが欠かせない。リュックのなかには、狭くなった肺動脈を拡げる薬剤を定期的に静注するポンプが入っている。「運動はあまりしてはいけないのだけれど、なんとかやっている。だって、人生を楽しんでいるから」と笑顔で語る。
神経芽腫(骨髄)を患う、サッカーが大好きな5歳の男の子。パリ郊外のサッカークラブに入っていて、パパとの日々の練習を欠かさない。コートでは、走って、攻めて、限界までプレーする。とはいえ、すべては体調次第だ。小児がんのひとつである神経芽種は約7割の患者で初診時に転移が見られ、治すのが難しい。だが、乳児期発症では進行していても諦めなくてよいこともある。
撮影当時8歳。胸腔内の交感神経節から発生した神経芽腫を患う彼の目の色は左右で異なり、グリーンとブラウン。3歳の時の腫瘍摘出手術が原因で色が変わったことを自ら説明する。脊髄腔内に詰まった腫瘍を取り除く大手術をしていたのだ。
話す時の両手のジェスチャーと、独特のアクセントで、彼がフランス生まれでないことがわかる。じつはアルジェリア生まれで、数年前に治療のためにフランスに移住。慢性腎臓病から腎不全、腹膜透析をしている。リスクは伴うが、腎移植も検討している。自身の病気についても深く理解し、誰に対しても自らの言葉で分かりやすく語ろうとする。時々見せる7歳の子どもらしい表情が印象的。成熟した振る舞いをするイマドだが、どこにでもいる普通の少年でもあるのだ。

8歳の男の子。表皮水疱症というとても肌が弱い病気のため、身体を包帯で覆っている。表皮と真皮をくっつける接着剤の役目をしている蛋白質が先天的に欠けているか、少ないために皮膚に水疱ができたり剥がれたりする病気だ。平日は病院で過ごし、週末は家族が待つ自宅へ。病院では、いつだって親友のジェゾンと一緒で、廊下には二人の笑い声が響き渡る。

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